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How it works

· 授乳,育む

助産院の主な業務の一つ母乳育児支援

その一つが乳房のマッサージをしながら、

授乳に関する個別で具体的な助言をすること。

母乳育児支援にかかわる助産師による乳房のマッサージは

欧米では効果に関する科学的エビデンスがないと

あまり一般的には行われていません。

マッサージという手技は行う側の個人差がある上に

受ける側の条件も多岐に及び効果が何によるものか

明確ではないからでしょう。

乳汁うっ滞、乳腺炎、乳頭の傷、授乳方法などすべてにおいて

その診断と治療や自己管理の方法の提供などは

口頭で保健指導としての助言をすることが助産師の担うべき責任範疇で、

その後の回復過程は個人差がある

ということが前提なんだと思います。

人の回復にはそれぞれ個人差がある

ということが当たり前の概念としての母乳育児に関する考え方。

みな横並びの日本ではあまりなじみがない概念かもしれないけれど、

最近、病院の助産師ではそういった考えが浸透しており、

出産後に助産師が直接乳房に触るようなケアではなく

母乳分泌に関する正しい知識の提供と

赤ちゃんにどう吸わせるのか、ポジショニングへのアドバイスを中心に

口頭での助言や指導が提供されて

退院してくる母子が少なくありません。

私は私の助産師のお師匠さんから

お母さんが苦しいとかちょっと触ってみてほしいと言っているのであれば

触ってあげて、張りを少し取ってあげてあげるといいのでは、

ということを教わりました。

痛くて、辛くて、苦しいのであれば

それがどんな感じなのか耳を傾け、どこをどう触ると痛いのか

痛くないように授乳するには何をどうどうすればよいのか、

助産師の「手当て」で出来ることをしてあげたいと思います。

手と目で観察したことと解剖生理に関する知識を併せて状況を判断します。

そして大切なのはそれを目の前にいる女性が、

どんなふうに表現するのか、

そしてどう手当てすると痛みが和らぎ、少しは安楽になるのか

投薬や外科的な処置などの医療とは違うアプローチをします。

もちろん、適切なタイミングで医療に繋げることも時には必要です。

経験より先に大量に知識を入れてしまうと大脳優先となり、

目の前で訴えている内容を注意深く聞くより、自分の思い込みが優先されるので

危険だなあといつも思っています。

母乳育児相談や乳房のケアで来所される方が昨年からとても増えてきて

ぼちぼち、私の中の失敗や疑問が積み重なってきています。

おっぱいは本当に難しい、、、

やっぱり本格的に学びなおさなければならないと思うようになってきました。

経験を知識と照らし合わせて

より実践的なケア技術を提供していきたいと思います。

ちょっと難易度が高いのですが、

世界共通の母乳育児に関する正しい知識や指導に関する団体主催の学習に

これから取り組んで、認定試験なども受けてみようかと思っています。