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姿勢

· 育む,授乳,その他

思うところあって、

1か月間週2回、大学病院のNICU/GCUに研修に通いました。

時々、一滴でも母乳を出したいと

20週台500~600グラムの赤ちゃんを出産したママが

つむぎ助産院に来所されることがあります。

小さく生まれた赤ちゃんたちの、病院での生活が知りたくて

研修を受け入れてもらいました。

毎回、実に多くの学びがありますが

先日、GCUの赤ちゃんたちにリハビリをする理学療法の先生から

とても良いことを教わりました。

先生によると

赤ちゃんが上に足を上げる動作は寝返りにつながるので大切。

足を上げるには強い腹筋が必要で、

さらに、赤ちゃんは視野に入った足をもっと見たくなって

上げ続けたり、左右にふったりコントロールしようとする意欲がわく。

意欲が自律運動を促し、寝返りなど次のステップに進みます。

足を上げるのに十分な腹筋がまだない赤ちゃんには

腰の下に丸めたタオルを添えて、足を上げやすいよう姿勢を工夫していました。

ところで、高く上げた足が間違ってドスンと下に落ちてしまうと

驚いて赤ちゃんは反り返ります。

驚きや恐怖、拒否は反り返りから背筋を容易に鍛えてしまい

ますます反り返りが強くなるようです。

反り返りの強い赤ちゃんは抱くのにテクニックを要し、授乳も困難になりがちです。

だから、上げた足がしたに落ちるような強い刺激や

水平に突っ張ってしまうことがないようにも様々な工夫がされていました。

一方、原始反射による不随意な手の動きを予防するために

上半身をおくるみでしっかりくるんだり

丸めたバスタオルを左右において顔や体の横のスペースを埋めて

安心できる環境をコット内に作ります。

ただ、この環境は視野を遮ることも多々あり

少し大きくなってきて自律運動が活発になってきたときには

リハビリのときなどは赤ちゃんが自由に見聞きできるよう

バスタオルを取り除いてあげて

意欲の向上を計る働きかけも同時に必要のようです。

安心して寝かせるためと同じくらい、起きて刺激を与えるときも

NICU/GCUの中では治療として環境に最大の気配りをしていました。

当たり前のようですが、改めて赤ちゃんの発達を促す環境の大切さに

気が付いた研修の期間でした。

助産師さんたちは科学的でないとよく言われます。

沢山の赤ちゃんのお世話をした経験から、

赤ちゃんをまるく抱いたり

赤ちゃんの発達を促したりする関わりなど、つい

「ほら、気持ちよさそうでしょ~」と言ってしまいがち。

お母さんたちになぜこのようにするといいのか

理由を説明できるようになりたいと思います。

そのためには経験だけでなく、勉強も必要だと思います。