第一子を助産院で出産した時、
妊婦健診、内診、お産、赤ちゃんの沐浴
産後のおっぱいケアで私が受けた助産師の大先輩の手は
いつも、とてもやさしく、ゆっくりと、ていねいで
心地よい、確かなものでした。
入院中のある晩、赤ちゃんが泣いてどうにもできなかったとき、
「こうやってあげるといいらしいのよ~」と
赤ちゃんの頭をそっと両手で包み込んで落ち着かせてくれました。
先日出向いたNICUの研修で見た光景では、
採血や検査で赤ちゃんが泣くと
看護師さんたちはそっと手で赤ちゃんの頭を包みこんだり、
おしゃぶりを与えたり、手足を適切な位置に戻してあげていました。
その手はやさしく、ゆっくり、ていねいで
何十年も前に受けた私の大先輩の手と同じです。
「痛みのケアです~」とベテランの看護師・助産師さんたちは言います。
陣痛中の女性の背中に触れてさする、助産師の手のようだと思いました。
少し大きくなってGCUにいる赤ちゃんたちは
手で包み込むだけでは
落ち着かないこともしばしばあります。
代わりに、おくるみを使ったり、バスタオルで手足を
いい感じに整えたりというポジショニングに配慮して
赤ちゃんたちの身体から心を落ち着かせていました。
NICU/GCUの赤ちゃんたちへの関わりは
Developmental Careと言って
光や視覚、聴覚、身体接触と疼痛、嗅覚と味覚などの
環境を調整するケアと学問的に裏付けされたケアだそうで、
その業界の方たちにとってはなじみの深いかかわりのようです。
赤ちゃんの行動を読むとか、ストレスサインを見抜くとか
行動観察から、適切な対処技術を学ぶ研修会も多く開催されています。
しかし看護や助産の技術の習得は、やはり目の前で行われることを
繰り返し見ることでイメージし、それを再現してみることも必要です。
さっそく、つむぎの育児相談会にいらした赤ちゃんに
試してみたところ、ちょっと上手くいきました。
赤ちゃんへのタッチや関わりに戸惑いを感じる地域のお母さんたちに
Developmental Careの技術は大いに役に立つのではではないかと思います。