· お産

自宅で夫と二人の兄、一人の姉に見守られて第四子が産まれました。

いつも大きな赤ちゃんを産むのに苦労をするお母さん

分娩3週間ほど前からお産の記憶がよみがえり

「怖いなあ〜、無痛分娩にすればよかったと今さら思うの」と

健診のたびに訴えていました。

予定日を6日超えたその日

とうとう陣痛がやって来ました。

夜中に一本お電話いただきましたが、

そんなに強くないからということで私は自宅で待機

朝方、 陣痛の間隔が短くなったところでご自宅へ向かいます。

15分後には到着

布団の上にちょこんと座っているお母さんの第一印象から

まずは、今のお産の進行状況を推測します。

次に赤ちゃんの心音が聞こえる位置を確かめ

ほんの数十分、お母さんとたわいない話をしながら

気持ちがほぐれたあたりで、内診をさせていただきます。

どうして

こんなまどろっこしいことをするのかというと

せっかく開始したお産ですので

できるだけ途中で流れが中断することがないよう気を配ります。

自宅分娩を選ぶ方は他人への気遣いが強いのでね。

6時過ぎると

子どもたちが次々と起きてきました。

陣痛の合間に夫に朝食の支度の指示を出したり

子どもたちにあれこれ言ったりするお母さん

自宅分娩最中の日常生活のドタバタが

なんとも心地いいものです。

「子どもたちが起きてくる前に産みたかったなあ」と

お母さんはイライラしていますが。

子どもたちが朝食を食べ終わる頃には

椅子にもたれて顔を上げるのも嫌になったようで

自分と胎児の世界に入っていきます。

「そっちでないこっちっこっちだよ」と

胎児に向かってブツブツつぶやくお母さん

そんな様子をだまってみんなで見守ります。

すると突然ムクッと起き上がったお母さんは

「ダメだっ、掃除機でもかけて気分を変えるっ!」

と動き出し、するとどんどん表情が辛そうに変わりました。

そのうち、わずか2M先のお布団までも移動できない〜と

リビングのテーブルにつかまり立ったまま産む体勢をとります。

私たちは赤ちゃんを産み落とさないよう下からしっかり支えます。

 

会陰から見える赤ちゃんの頭皮の色

出てくる顔の表情と羊水を吐く様子

ダイナミックに産まれてくる赤ちゃんをしっかり見つめる

子どもたちの瞳

赤ちゃんを抱き上げるお母さんの安堵した表情

この瞬間の目からの情報はいつもスローモーションであるものの

さすが4回目、実に上手に自分の体を使って産みました。

臍帯でつながっている赤ちゃんはしっかり自分の手で抱きかかえ

自力で歩いてお布団まで移動できます。

横になってお腹の上に赤ちゃんをのせて一休み。

「あ〜やっと産まれた」

その場にいたみんなでホッとする瞬間でした。

翌日から5日間の訪問は

母子の健康状態のチェックとともに体のマッサージをしながら

たっぷりお産のことを話してもらいます。

5日目の訪問のときに

「やっぱり、無痛分娩が良かったと今でも思う?」ときくと

「自宅がいいですね。自由で好きなように産める。

産んだ後の子どもたちと過ごせる時間が何より幸せ。

ただ、自分の娘にはこの出産の痛みを乗り越えろと強制できないかなぁ。

痛みなく産めるのであればそれが何よりだよね」と正直な感想でした。

便利で快適な時代に生活すればするほど

痛くて、辛くて、待たなければならないことは

ますます苦痛に感じるような心身の状態になります。

お産はまさに女性に与えられた最大の苦しみで

無痛分娩が選択の中にあることは時代の流れでしょう。

でも、まぁ

特別な女性でなくても、ほとんどの女性に自然に産む力は備わっているので

恐れずに、まずは使ってみてはどうかなあと思います。

自分の力を使って産む女性の側で

同じ時間をじっと共有し

命が安全に生まれる環境を整えて待っています。

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