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 妊婦さんが新型コロナ感染に罹ったときは一般の人同様、軽症であれば在宅療養で、重症化すれば入院。病気の妊婦さんを受け入れることができる医療機関は限られているので、実は妊婦のコロナ感染者の入院のハードルがきわめて高い状況になってきています。

 ただ、ある程度妊娠週数が進んでいれば、妊婦健診を受けているかかりつけの産科や助産院がありますので、保健所の健康観察のお電話に加えて、産科医療職からの見守りを受けることができるはずです。

 妊娠中期の妊婦さん、助産院での健診に移行する直前にコロナに感染しました。産科の先生からは2週間の療養期間が終わるまでは健診には来ないように指示されますが、症状が出現して1週間も隔離された生活をしていると不安が強くなり、病気と闘う気持ちが萎えてきます。症状出現後1週間程度でウィルスの排せつ量は減少するとのことで、空気の流れ道を考慮し、マスク、手袋、防護服を着用すればご自宅での健診は可能です。妊婦さんの場合は体温や酸素濃度に加えて、血圧や尿たんぱく、身体のむくみなど腎機能の状態、お腹の張りや赤ちゃんの心拍の状態も確認しなければならないので看護職でもあり助産師でもある、私たちがどうやらお役に立てます。

 一度でも顔を見て、ちゃんと状態を把握できれば、あとは電話やメールで状態を聞いたり、励ましたり、食事や水分摂取など生活のアドバイスはリモートでも、できます。ただその場合、最低でも一日2~3回はつながる必要があります。そうすると実際にはそばにいなくても、近くにいてもらえるような感じだからです。

 約10日間、熱が上がったり下がったりする不安な状況を乗り越え、解熱した妊婦さんの第一声が「平熱の日が来るなんて夢のようです!ずっと励ましてもらえて乗り越えました」と。そうか~回復しないかもしれないという不安な気持ちだったのね。不安は呼吸を浅くしてしまうし、浅い呼吸は体に良くない。

 家族も友人も、職場の人も、コロナに感染した人を気に掛けることはできるけれど直接、ケアをすることができないという、本人も周囲の人も辛い。

 なんとか突破口を見出して、できるところから動いていこうと思っています。