「やった、やった~!産めた、産めた!!!」
手を挙げて、ガッツポーズを決めたママに
出生直後はいつもは静かな声で
お祝いを伝えたい方針の私も
思わず歓声をあげてしまいました。
第1子の出産を医療機関の無痛分娩で出産。
そして今回第2子を自宅で産みたいと問い合わせがあり
助産院から歩いて行けるほどの距離のご自宅のマンションに
説明に行きました。
大変物静かなご夫婦で、私のこれまでの経験から知っている
自宅分娩を希望されるご家族とは、少しだけ違う印象
緊張と戸惑う気持ちが交差しました。
助産所の分娩について
妊娠中の健康管理、緊急時の医療の使い方、
自然な陣痛を使っての出産、産後のことなど、
いつも以上にていねいに説明しました。
前回は無痛分娩を選んだ妻がなぜ自宅分娩なのか、、、
パートナーの方も疑問をもちつつ不安げな表情。
そうでしょ、そうでしょ
ご本人の思い付きで、自宅分娩なんてだめだめ。
ところが、説明してすぐに、家族から了解を得られたと
予想外のお申込みのお電話があり。
妊娠中は夏。
コロナ禍の中、ご自宅で上のお子さんと過ごし
「仕方ないです、人ごみを避けて公園に行きます」と
笑顔で、子育てと在宅でのご自身の仕事もこなしており、
予想以上にタフなママ
自宅分娩は出産後にだれかお世話をしてくれる人が必要
まして、上の子が在宅しているのであれば
なおさら人手が必要とという話をしているうちに
夫を説得し、1年の育児休暇をとってもらうことになったと
予定日2週間前から、本当に夫は長期の育児休暇に入ってしまいました
「子どもが小さいときは本当に少しの間だけ。なので夫婦で子育てしたい」と
経済的な不安がないわけではないけれど
今必要なこと、大切なことが自分の中ではっきりしています。
妊娠後期、
やっぱり助産院で出産したいと
健診を自宅から助産所に切り替えたところ
前回、不自由を感じた医療機関での出産について
いろいろ少しづつ話してくだったので、
自宅分娩を選択した理由がだんだんとわかりました。
しかしそれ以上に、最初の出産を無痛分娩にした理由について、
陣痛の痛みがとても怖かったので
最初の出産でトラウマを作りたくなかったという考え方を知り
なるほど~と思ってしまいました。
こんな選択もありですね!
今回、やはり痛みへの不安は拭いきれないものの
前回との違いは、私がついているからということ
妊娠中からずっと同じ助産師が関わり、
その助産師がお産の時にも必ずいるという安心感
改めて、とても大切なことだと
私も学びました。
ところで、
第一子は最後は吸引分娩になってしまったが
頭が出ないときはどうするのかと質問されました。
「私たち、促進剤や吸引器は使えないので
食べたり動いたりお風呂入ったり、ごろごろしたり
お薬や器械を使う以外のことをなんでもやるんだよ」
かれこれ25年前、私が出産した時代の自然分娩派の中で流行った
「アクティブバース」という本を渡して
なかなか生まれないときの産婦のとるべき姿勢や体位について
少し説明しました。
それから一週間後に陣痛が開始。
やはり最後、子宮口全開後に児頭の進行がややゆっくり、、、
するとなんと、自ら姿勢を変えて
アクティブバースの本の中にある通り
立ち上がり、腰を振り、片足を立て、しゃがみこみ、、、
陣痛を上手に使って、見事なアクティブバース!!!
そして冒頭のガッツポーズとなったわけです!
うーん、ついていた私たちも元気をもらった出産でした。
ありがとう~