開業助産師はお産が好きです。

365日24時間電話を手放せず、予定通り計画通りに進まない生活を

あんまり苦と思わない性分に加え、

いのちを守らなければならない重圧に耐えうる図太さ。

責任感や使命感から頑張っている助産師も、もちろん存在しますが

それだけではやりきれない、ちょっと変わった性格だと思うのです。

私はお産の時以上に妊娠中の関わりが好きです。

数か月にもわたって、少しずつその人を知って、その人の身体の特徴を知って

もちろん、妊婦さん自身が自分のことを良く知ることが最も重要。

産むのはあなた。

あれやこれや考えて試しながら、出産に向けて調子を整えていく、、、

まさに出産という山頂を目指して、こつこつ山を登っている感じ。

36週0日

開業助産師が分娩介助できる37週まであと1週間というところで

破水したとお電話いただきました。

3人目なのでぼやぼやしていると生まれてしまいます

モニターと搬送にかかわる各種書類、万が一生まれてしまうことになった場合の

赤ちゃんの蘇生の道具や分娩セットを準備し、

コロナで救急車が使えない場合もあるかもと

私の車でご自宅に向かいました。

着くと笑顔で横たわっている妊婦さん

「あら~ちょっと早かったですね!どうしたもんでしょうね~」

パパもお姉ちゃんたちもここで赤ちゃんに会えるかもと

喜んでいます。

赤ちゃんがまだ小さいこと、

小さいと出産のときにストレスがかかり

生まれた後の自発呼吸を少し助ける必要があることもあること

出産時のストレスは血糖値や黄疸値の異常をきたしやすいことなどなど

胎児心拍モニターを取りながら、

ママとご家族が不安になりすぎないよう

でも、現状をしっかり理解できるようていねいに

周産期総合医療センターでの分娩になると

説明をしました。

自宅で家族とともにみんなで赤ちゃんを迎える

幸せな出産を希望していたので

ご夫婦ともに本当に残念な表情となり少し胸が痛みます。

「あと少しだったのに、、、」

でも30分のモニターでたった一回、お腹が張った瞬間、

赤ちゃんは心拍で少し苦しいというサインを出してくれたので

迷うことなく、医療機関に搬送要請をし

受け入れを了解いただきました。

夫と子どもたちも自宅に残し、妊婦さんと二人

受け入れ先の医療機関に向かいます。

到着してしばらくは陣痛が始まりませんでしたが、

夜中に自然と陣痛が始まり、少し小ぶりの赤ちゃんが

産科医と小児科医に見守られながら

医療機関の助産師さんの介助で無事に生まれました。

母子ともにちゃんが安全に出産することが何よりです

ただ、そこに少しだけ、

こんな風に生みたいなあという希望が入ります。

よくよく話を聞いていくとたくさんの希望の中でも

これだけは大切にしたいというこだわりが

実はお一人お一人あります。

今回の妊婦さん

第一子のときに会陰の裂傷がひどく痛く、とても辛かったとのこと。

そんなことがあって、会陰が切れないお産の介助をしてほしい、、、

ということで、自宅分娩を選択されました。

今回、自宅で出産ということはかなわなかったけれど

きちんとご自身の希望を伝えて

その気持ちに沿うよう、医療機関の助産師さんが

ご希望通り、会陰が切れない出産を手伝ってくださいました。

医師に見守られた環境で、安心して出産をすることができたことで

とてもリラックスできたようです。

ほっとした様子のママの表情をみて

結果オーライ~でした!

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