· お産

その昔、エコーがなかった時代

分娩予定日はお母さんから聞き取った最終月経から算定していました。

超音波検査機器の進歩により、妊娠初期の胎児に個体差がないということから

最終月経に加えて超音波検査で測定した胎児の大きさから

分娩予定日出すようになりました

そうすると確かに予定日近くで陣痛開始して

分娩する方が多くなったような気がします。

また、産科ガイドラインでは41週超えた場合

安全に誘発・促進分娩をするための統一された基準などが定められましたので

嘱託医及び連携医療機関に転院することが一般的になってきたので

41週を超えて、助産院でお産を待つということは

ほとんどありません。

それでも41週までは待ちます。

私のところでは予定日を超えると

毎日か1日おきに通ってもらい胎児心拍モニターで赤ちゃんが

元気にすくすく育っているか確認させていただきます。

待つことが苦手な今の時代のママたちに

焦る気持ちにも寄り添って、マッサージやおしゃべりで

赤ちゃんの安全を確認しつつ、一緒に待つ時間を持ちます。

一緒に待って10日間。

予定日を10日超えても全くお腹が張らない経産婦さん。

子宮口は柔らかく順調に熟れて、いつでもオッケーとスタンバイですが、

お腹の張りがないので赤ちゃんが下りてきません。

満月も台風の低気圧にも全くお母さんの身体は反応しません。

「もうやるだけやった!」とご本人も十二分に納得されて、

嘱託医療機関に入院して陣痛開始を待つことになりました。

ぐっすり眠れた翌日の朝から

陣痛を起こすホルモン、アトニンの点滴が始まります。

とても微量で開始、わずか10分でお腹の張りが始まりました。

そうこうしているうちに、ご自身の陣痛が始まり

「あ~これです!痛~い」と言葉も出なくなってきたくらいで

子宮口も全部開いたものの、赤ちゃんの頭はけっこう上

お母さんがいろんな姿勢でいきんでも降りてくる気配がありません。

そのうち少し苦しいというサインのモニター上の胎児心拍波形。

医師が吸引分娩の準備をし始めて、会陰切開をまさにしようとしたその瞬間、

お母さんが渾身の力を込めていきみ、遠くに見えた児頭は

みるみる下がって、、、生まれました!!!

元気な産声でホッとして臍帯を見ると、とてもとても長い臍帯です。

そして長い臍帯の中央あたりに、なんと玉結びが一回。

首にも一回巻いていましたので、

「これは助産院では難しかったね~」という医師の言葉に

大きくうなずいてしまいました。

お腹の張りがないことということは

赤ちゃんにストレスがかからないので悪いことではありません。

しかし、ぼちぼち生まれるという時期には

ほどほどの収縮があって母子ともにストレスがかかるので

赤ちゃんが子宮の中からでたくなるのでしょうか。

母体もわずかに血圧が上昇し、体重もほんの少し減ってきます。

これは私のお師匠さんから教えていただきました。

今回は本当にゆったり、ふわふわなお腹の状態で

母子ともにお産の兆候が全くなかったので

どうしたものかなあ、、、と気にはなっていました。

原因はこれ、

ちょっとこんがらがった臍帯を持っていたので

子宮を柔らかい状態のままにして

ストレスがかからないよう環境を整えていたのでしょうね。

できるだけ待ちたい気持ちはもちろんありますが、

やっぱり医療と協働で分娩をお手伝いすることも

時には必要です。

それにしてもあの、最後のお母さんいきみ。

遠くにあった頭がみるみる産道を降りてくる様は

本当に感激です!

たぶん、人の一生で、これほど

全身の力をこめて何かをすることはないのではないかと思います。

子宮と協働で、人を産みだす女性のこの力。

何回出会っても、どんな出産であっても

私たちに生きる力を与えてくれる瞬間です。

 

母子ともに本当にお疲れさまでした。

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