上に複数のお子さんがいる方の自宅分娩
陣痛開始に都合が良いタイミングがなかなか見つけられません。
あの子の運動会、この子の遠足、夫の仕事、
実母の手伝いが可能な日など良いタイミングで、良い時間に
ママは産みたい。
予定日二日過ぎの明け方い陣痛開始の連絡がありました。
カレンダーをみると間も無く満潮!よしっきっと陣痛は強くなって
ポンと生まれることを期待し、バイクで向かいます。
ところが、ママはそわそわと6時に起きてくる子どもたちの
本日のスケジュールが気になるようで時計をチラチラ見ます。
弁当だとか、学校の準備とか、幼稚園の準備とか考えているうちに
さっきまであったいい感じの陣痛が消えていきます。
でも、経産婦さん。
また、すぐに始まるだろうとと期待して
いつ呼ばれてもいいように近所のジョナサンで待機することにしました。
ところが、バタバタ家族の食事や学校の準備をしていると
陣痛が遠のいてしまったようです。
あきらめてバイクで1時間の道のりを助産院に戻り、
日中は助産院での健診やおっぱいケア、事務作業を
時計を見ながらすごい勢いで片付けて、次に呼ばれるのを待ちます。
「今日の午後3時に産みたいって言っていたし、、、」
ママの方は家族が留守になりやれやれと昼寝。
元気になって陣痛開始、、、のはずがまたもや、
今度は夕方のお迎え時間と子どもたちのお稽古事。
「わたなべさ〜ん、やっぱりみんなが寝てから産みます!」と
夕方に仕切り直しの連絡が入りました。
陣痛再開の連絡があったのはその夜の8時過ぎ。
「ぼちぼち強くなってきました!でもみんなが寝るのを待っています〜」
10時過ぎに呼ばれて到着した時は、暗いお部屋で
だれにも邪魔されず、さすがに痛そうで、
やっと陣痛の波に乗ってくだいました。
ブツブツ呟き、ウロウロしながら、立ったり座ったり
寝っ転がったり、眠ったり、、、、
だれを立ち会わせるか悩んだり、
夫を起こすかどうか、子どもたちみんな起きてくるからと気にしたり
気にする出来事があると直ぐに陣痛間隔が間延びしたり、、、
最後の最後まで、悩んで呟いて、遠のいたり、強くなったり、
とてもゆっくりのような、速いような、
大きな波のような、小さな波だったり、、、、
陣痛の間隔も強さもバラバラで、暗さも伴ってなんとも不思議な感覚。
でも、赤ちゃんの心音は暗闇の中でとても元気に響きます。
ゆっくり進んで赤ちゃんが生まれたのは4時。
産声をパパが聞きつけ、パラパラみんなが集まります。
子どもたちに取り囲まれ、ママのなんとも幸せな安堵した表情。
お産のときには時間の感覚がなくなるといいます。
赤ちゃんは生まれる直前のの陣痛の間隔は
ママは5分おきだったと感じていたようです。
私は7〜8分おき、サポートの助産師は3〜4分おき。
みんな違う時間の流れを過ごしていました。
何分おきでも、赤ちゃんが元気で、
陣痛のたびに少しずつ進んでいるようであればよいです。
できるだけ母子のリズムや時間に
私たちの時間を合わせて、お産をお手伝いしていきたいと
今回の出産を通じて、やっぱり思うのです。
始まりのタイミング
分娩進行中の時間の流れ
生まれる時のリズム
人が人を産むときに、私が大切にしたいことです。