サイトへ戻る

食べさす

· 育む,授乳

つむぎ助産所の出産では

生まれたての赤ちゃんはお臍が繋がったまま

お母さんのお腹の上で過ごします。

およそ5~10分後、臍帯の拍動が停止を確認して切断し、

体重・頭囲・胸回りなどの計測をして産着を着せます。

そして、目をしっかり見開いている赤ちゃんをそっと抱き

寝ているお母さんの乳房に近づけると、

ほとんどの赤ちゃんはお口をパクッと開けるので

そのタイミングでお母さんの乳首にくわえさせると

上手に吸啜し始めます。

2時間ほども吸い付くと赤ちゃんは眠りに入っていきます。

生まれたての最初の2時間は第一次覚醒期と言われ

お母さんの匂い、乳首の形、吸啜方法などを

覚えるのに最適な時期と教わりましたので、

室内をなるべく静かに、ご家族と静かな時間を持てるよう配慮します。

ところで昨日朝、玄関前にヒナ鳥が2羽いました。

暑い日でしたので慌てて保護しましたが

調べると文鳥のようで、そうすると何処から飛んできたとか

巣から落っこちたとかいうより、

つむぎ助産所の玄関の前に置かれたということでしょうか。

その日のうちにペットショップに出かけ

店員さんに事情を話し、飼育に必要な道具や餌を購入し、

早速、哺乳、、、いや挿し餌というらしいのですが

抱っこして練った餌をあげてみました。

すごくお腹が空いているはずなのに

警戒して口を開けようとしてくれないのです。

人の赤ちゃんにミルクや母乳を与えるコツは自信がありますが、

捨てられて、怯えて、人への信頼が全くない鳥の赤ちゃん

手の中でブルブルと震え、スキあらば逃げ出そうと落ち着かず

よほど命の危険を感じるのでしょう

空腹で食べることよりも、逃げることを優先するのも

理解できます。

1食目は諦め、寝床を作ってあげて距離をおきまして

明け方にもう一度挑戦しました。

でも、なかなか口を開けてくれません。

新生児もこういことあるな〜と思いながら

文鳥とどうやって信頼関係を作って

お口を開けてもらえるか悩み中です。

そういえばたった一人、

生まれてすぐにお口を開けてくれない赤ちゃんがいました。

お腹の中でずっと自分の指を吸っていたようで

生まれた時には指に吸いだこができていました。

そのせいか自分の指には反応して口を開けるものの

お母さんの乳首が口に入ると

赤ちゃんの指より大きいので

歯茎で思いっきり力を入れて噛んでしまいます。

また、無理やり押し込むともっと噛んでしまうので

徐々に慣れるようミルクも併用し、

お腹が好きすぎていない時に乳首をくわえさせるなどして

直接母乳を飲めるようになるまで1ヶ月を要しました。

その間、お母さんは本当に忍耐強く授乳をしていました。

 

それに比べて

私は痛いわけではないのだから

忍耐強く、鳥さんたちのお世話をしようと思います。