毎年、乳腺炎で乳房ケアに来所するお母さんが増える時期があります。
冬の終わりと夏の終わり。
先週は3人のママからの相談や来所が立て続けにありました。
乳房のケアだけでは難しいと判断したので、
近隣の医療機関をご紹介し、
抗炎症剤や抗生剤を内服して炎症の症状が落ち着いたところで
ケアに来ていただきました。
乳腺炎の原因は、
乳頭の傷口からの感染
肩こりや腱鞘炎などからの血流不全によるうっ滞
ストレスによる血液の粘稠度が増した詰まりなど、様々です。
じわじわ症状が進んできた人もいれば、突然の人も。
ここに季節の変化=気温の変化という環境ストレスが加わり、
いきなり、症状が悪化します。
乳腺炎の症状は、
全身の発熱、局所の発赤、痛み、腫れなど。
炎症の始まりの乳房は炎症物質(痛みの原因)が生じ、
痛みに加えて、ぶよぶよと膨らんでいるので
マッサージは効果的ではありません。
触ると悪化しますし、触られるママも痛くて辛いですので
触らずに安静にします。
触らない、揉まない、押さないを
お母さんにしつこく助言します。
急性期が治るまでのおよそ3日間は、
痛みやしこりのある場所以外の母乳を、
赤ちゃんに飲んでもらうよう工夫してもらいます。
炎症し腫れているところは
おっぱいが溜まっているわけではないので
触らない、揉まない、押さない。
助産師のケアを受けるタイミングは、
発熱、発赤、痛み、腫れなどの症状が落ち着いてからです。
症状によっては病院を受診し、
抗生剤などの処方を受けてもらいます。
薬を飲んでもらって落ち着いたらケアです。
炎症で戦った白血球の残骸を含んだ乳汁などが
硬いしこりとして触れますので
そっと奥の方からその残骸を取り除きます。
これが助産師の行う乳房のケアです。
手と指の感覚で探ってちょっとづつ出して行きます。
すごく時間がかかり、集中します。
他の乳腺に触れないよう、溜まった場所だけ。
ドロドロしたものが出ると
普通の乳汁がサラサラ通って、赤ちゃんも飲みやすくなります。